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派遣先が押さえておくべき重要な管理事項と法令順守のポイント(2025/1/31)

派遣業において、派遣元事業者と同様に派遣先事業者にも重要な役割と責任があります。派遣先が適切な管理を行わなければ、法令違反に繋がる可能性があり、昨今では労働局の立入検査が派遣先に入るケースも増えています。今回は、派遣先が行わなければならない主な事項について詳しく解説します。

1. 派遣先管理台帳の管理

派遣先は、派遣労働者の受け入れに関して以下の情報を記載した「派遣先管理台帳」を整備・保管する義務があります。

この台帳は派遣期間中および派遣終了後3年間は保存する必要があります。労働局の立入検査でも確認対象となるため、正確かつ最新の情報を常に維持することが求められます。

2. 派遣契約締結前の待遇情報の提供

派遣先は、派遣契約を締結する前に派遣元事業者へ派遣労働者の待遇に関する情報を提供する必要があります。具体的には以下の内容が含まれます。

この情報提供は、派遣労働者の待遇均衡・均等を実現するために重要です。適切な情報提供を怠ると、是正指導や罰則の対象となる可能性があります。

3. 事業所単位抵触日の管理

事業所単位抵触日とは、同じ派遣労働者を同じ事業所で受け入れ続ける際に適用される最長期間のことです(原則3年)。派遣先はこの抵触日を正確に管理し、適切な対応を行う義務があります。

適切な管理方法

抵触日を超えて派遣労働者を受け入れると違法状態となり、罰則の対象となるため、慎重な管理が必要です。

4. 労働局の立入検査への対応

近年、労働局による派遣先への立入検査が増加しています。派遣労働者の適正な受け入れと管理体制の確立が重要視されており、以下のポイントがチェックされることが多いです。

検査への備え

5. 派遣先にも必要な法令知識

派遣元事業者が派遣先に必要な書類を用意するケースも多いですが、派遣労働者を受け入れる派遣先においても、最低限の法令知識を持つことが重要です。派遣先は、派遣元からの情報だけに頼らず、独自に法令順守を意識する体制を構築する必要があります。これにより、トラブルの未然防止や労働局からの指摘を回避することができます。

まとめ

派遣先事業者には、派遣労働者の適正な受け入れ・管理を行うための多くの責任があります。派遣先管理台帳の管理、待遇情報の提供、抵触日の管理など、適切な対応を行うことで法令順守を徹底し、労働局の立入検査にも安心して対応できる体制を築きましょう。派遣元と協力しつつも、派遣先自身が法令に関する知識を持つことが、より健全な派遣労働環境の構築につながります。

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